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痺れるね~。

先生、先生と呼ばれてる人にもそれぞれいます。学校関係の先生、お医者さん、政治家、単に飲み屋のあだ名での先生など。(笑) 本日は「名医」とは何かというお話です。皆さんも、よくTVなどで「名医」とか「スーパードクター」と言う先生が難しい手術を成功させてるのを見たことありますよね?(それが本当に難しいのか分かってないけど)本日はあたくしが”致知(ちち)”という出版社から送られるメルマガの内容を紹介します。本日の先生は総合新川橋病院副院長佐野公俊先生と、禎心会脳疾患研究所所長上山博康先生です。禎心会は札幌の東区にありますね。

”佐野公俊(ひろとし)”先生。

”上山博康”先生(この先生はTVでよく見ますね)

”佐野先生”は「へばりながらでも続けて、続けて、続けていくと、神様がちょっと甘い汁をくれたり、背中を押してくれます」と言い、また「一流になっていく人は、やっぱり、すべてを捨てて仕事に没頭しているということです」とおしゃっております。”上山先生”は「たとえ刀折れ矢尽きても歯が残っているなら敵(病気)の喉元に食らいついていくほどの気合いが医者には必要です」と、これまたもの凄く頼もしいことをおっしゃっております。それでは、お二人の会談の一部をば。それでは、多くの医者が「治らない」「助からない」と匙を投げた患者さんを〝最後の砦〟として受け入れ、命を救い続けてきたお二人の先生のお話です。

患者さんと共に最後まで戦うのが名医

佐野 上山先生と初めてお会いしたのは確か1980年頃、日本脳神経外科学会の席でしたね。
私のほうが上山先生より3年ほど上になりますけれども、先生の師匠である伊藤善太郎先生とは仲が良くて、彼がいた秋田県立脳血管研究センターを訪ねては、「この手術はああでもない、こうでもない」と、よくおしゃべりしました。

上山 だから、関係としては、佐野先生は僕の兄貴分ですよね。
僕は60歳を過ぎて気づいたことがあるんです。それは医者には治せない病気がたくさんある、医者はいろんなテクニックを使って、患者さんたちの生活の質が下がらないよう、キープしてあげることしかできないということです。
特に脳外科医が対処できる病気というのはごく限られる。例えば認知症なんて脳外科医は何もできません。それでも限られた病気への手術のクオリティを徹底して高めようと闘ってきたのが佐野先生であり、僕だと思っています。

佐野 そうですね。ただ、もう少しすると、私たちがやってきた手術はなくなっていくかもしれません。ひと昔前には、くも膜下出血や脳卒中でも、術後ほとんど亡くなっていました。しかし顕微鏡を使った手術が入り、CTという診断器機が生まれ、どんどん助かるようになっていった。ところが、いまは便利なカテーテルの時代になり、手術できる人が少なくなっているんです。カテーテルで対処できない症例は簡単に無理だといって放り投げてしまう。

上山 どんな症例でも手術で全部片づけてきた僕らは、いずれ「マンモス」扱いされるかもしれませんよ。いま先生がおっしゃったように、治療法が発達した半面、しっかりした手術ができる脳外科医がものすごく減っていますね。これは本当に由々しき状況です。
また、脳底動脈りゅうなどの難しい症例は避けて、自分がやれるものだけを選ぶずるい医者が増えている。でも、佐野さんや僕は、他が治せないと見捨てた患者さんをどんどん受け入れて助けてきた。

佐野 前も、ある病院で助からないといわれた患者さんが紹介されてきましたが、これならできるよと言って、手術したら治りました。教育のために、その病院の先生にも手術を見に来てもらいました。

上山 僕はね、難しくて自分では手術できないからと、後輩が別の病院に紹介状を書いた時には、その文面に「悔しいけれども、いまは実力がなくてできません」とひと言加えろって言うんです。要するに、「次はやってやる」という気合いがないと駄目なんだよと。また、今後も同じ症例でずっと紹介状を書くつもりなら、とっとと医者を辞めろって叱るんです(笑)。もっとやる気と気合いを持った人間に場所を譲りなさいってね。
だから、いまの若い医者はスマートなんです。のたうち回って、無様な姿を見せてでも自分の限界を求める、患者さんと向き合おうとする泥臭さがないんです。本当に格好いい人って、スマートじゃない。必死な泥臭い人ですよ。

佐野 そうだよね。簡単にできる症例だけやっていればスマートでいられる。私も手を尽くしたけれどを出してしまった患者さんのリハビリを見に行ったり、亡くなってしまった患者さんの葬儀に参列して、ご遺族に頭を下げたことがあります。「力及びませんでした」って。でも、難しい症例やつらいことから逃げていたら、絶対に成長はないですし、一所懸命に誠意を尽くせば、その姿勢は患者さんやご家族にも伝わるんです。

上山 私も失敗した時には、すぐ患者さん、ご家族のもとにいって「私の責任です。すみませんでした」って頭を下げます。そのためか、厳しい症例ばかりやってきたにもかかわらず、これまでにただ一度も訴訟がないんです。したり、自分が正しいという姿勢でいるから裁判になるんですよ。
少し前、5つくらいの病院に断られ、私のところにやってきた患者さんのご家族に、「難しい症例です。治せる自信はありません。ただ、やらなきゃ100%死にます。勝ち目は薄いですが、やらせてください」って伝えたら、「その言葉を聞きたかったんです」と泣き出しましたよ。そこを見捨てたら医者やっている意味がないんです。
一点でも助かる可能性があれば手術をやる。絶対に逃げない。その信念を貫いてきたからこそ、佐野先生も僕も、〝最後のとりで〟と呼ばれるようになったんでしょう。

佐野 ちなみに、その手術はうまくいったのですか。

上山 うまくいきました。手術が終わり、ご家族のもとにいった私の第一声が「勝ちました!」です。もう震えるぐらい嬉しかった。
だから、どんなに難しい状況でも徹底して患者さんと一緒に戦ってあげる。沈む船であっても最後まで逃げないで乗り続けてくれる医者。それが名医だと思います。 ここまで。

いや~、これぞ本物の”名医”ですね!!あたくしも、何か会った時にはこのような気概と使命感と覚悟を持った先生に任せたいです。それにしても、格好いいですし、お二人の言ってることは他の仕事にも通じますよね。

追記 改めて、我々も気概と使命感を持ってこの仕事をして行かないと。

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でな、感じです。

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