あたくしは、今でこそ席に着きますが、16年前に行き始めてから数年は常に立って観ていました。まぁ、割り込んで行くのも気が引けると言うのもありますが、席を座れないで探してる人を見ると落ち着かないので。なので、地下鉄も座りませんしね。(笑)
その日も、あたくしは観戦席の入り口付近でビールを片手に観ておりました。時に、珍味を食べながらだと中々忙しいし、朝から三戦を観た時には翌日が足が筋肉痛でしたね。しかも、落ち着きないので一塁側、三塁側と忙(せわ)しなく移動するので。(要は、イイ女やチアガールがいたらそっち側ね)
本当は席が空いてるけど、あまり慣れてない人や遠慮がちな人は諦める人が居るので、お節介なあたくしは「そこ、空いてますよ」などと声を掛けておりました。
そんなある日、老夫婦が慣れない感じで空席を探していたので、「キターッ!出番だぜ!!」的に使命感を燃やして、「あっ、こちらの席は空いていますよ」と、まるで頼まれてもいないのに案内係のようにね。(イイ奴なんです)
「ありがとうございます」と会釈をされて、またまたカトちゃんはご満悦!!(笑)
基本、あたくしは座って飲むよりも立ってる方が酔わないし連日の日焼けで日陰にいたいのもありましたしね。
気を使わせたら申し訳ないので、分からないように立ってたんですが、お母さんの方があたくしを見て「すみません、わたくしたちの為に席を譲っていただいて。」と、わざわざ言いに来たので、「いえ、元々空いてたし、立ってる方が楽なんですよ」と。「そうなんですか?」と、なんとも申し訳なさそうな表情だったので、すかさず「それと、ビールを飲むのでトイレ近いので何時でも行けるように立ってるんです!!」と。
ただ、その時に気になっていたのが「小さい写真」を持っていたことです。
回が進むにつれ大差が付き、徐々に帰る人たち。あたくしは、同級生の「外山」が帰ると言うまで帰れないので、ガキのように縦横無尽にあちこちへ。すると、そのおばあさんが立って「どうぞ、こちらへ」という感じで近くの席へと。
内心、「まいったな~」と思いつつも、気づかい星からやって来た「カトちゃんマン」としては行かねばなりません。「お陰様で、良い席で観れることが出来ました。ありがとうございます。」とお礼されました。「いえ、いえ、ゆっくりと観れて良かったです」と、あたくし。
「実は、亡くなった息子が野球をやっていましてね、本当はここへ来て試合をするはずだったんです。」「あっ・・・、そうだったんですか・・・・・。」その間、お父さんは大差の付いた試合をジーっと見つめていました。で、お母さんが持っていた写真を「この子です。」と。
いや~、あたくしも初っ端から何となく「?」と思っていましたけど、人それぞれあるので気にしないようにしていたし、それよりも女性?男性?の人が気になってたのと、〇〇くんとも話したり、ウロチョロしてたしね。
思い出したのが、「大東京」というレストランバーでキッチンで働いていた”飯田”が地元の長野で亡くなってしばらくして、息子の通っていた北大や働いていた店の足跡を見に来たご両親が「上海月」の店先で遺影を大切に抱きかかえてた感じでした。
すると、それまで無言だったお父さんが「今年が三十三回忌なんです。」と。
三十三回忌!?00くんの亡くなった友人と同じ?と、直ぐに頭に浮かびました。その瞬間、まさか!!と思い、「実は先程、ぼくの知り合いも友人が三十三回忌だから来たと言ってました。」「それは、00くんですか!?」「!?・・・・・はい、だと思います。」余りの偶然にあたくしは、余計なことを言ったかな?と言うのもありまともな返事が出来ませんでした。
お母さんが、「00くん、来てくれてたんですね・・・・・、お知合いですか?」「共通の居酒屋で何度かあっただけですけど。」「そうですか。お元気でしたか?」「はい。」
実は、老夫婦の亡くなった息子さんと「00くん」とは幼馴染で、息子さんはそこまで野球は上手くなかったけど万能な「00くん」の背中を追いかけるように高校まで野球を続けていたんだとか。けれども、息子さんはいつも補欠だったと。
それでも「00くん」が練習が終わっても一緒にノックやら守備練習に付き合ってくれて、ようやく高校三年生の最後大会で背番号がもらえてギリギリベンチに入れたんだとか。
でも、地区予選の始まる少し前に喧嘩に巻き込まれて息子さんが亡くなったんだとか。もちろん、息子さんは喧嘩なんかをするような性格ではなく、お祭りで買った金魚が死んでも泣きながらお墓を作る優しい子だったと。
「00くん」は小さい頃からガキ大将で腕っぷしも強く近所ではわんぱくで有名だったけど、なぜか?息子さんとは馬が合い、そのお陰で息子さんはイジメられることもなかったし、二人で少年野球団に入っていつも一緒にいたんだとか。
けど、二人が行った高校は体育会系でスポーツで有名だけど、硬派でも有名な高校だったので、必然的に「00くん」も野球でもそうだけど、そっちの方でも目立つ人だったんですね。
「00くん」にも友人から、「どうしても今日は助っ人に来てくれ!!」と言われて大会前だから迷ってるのを息子さんは何度も止めたんだそうです。でも、わかる人は分かると思いますが・・・・・、ね。
それで、息子さんもどうにか止めようとその喧嘩の場所へ行き何とか説得しに行った時に不幸にも巻き込まれて頭の打ち所が悪くて。
それから、ご両親も野球から離れていたけど、今年「三十三回忌」を終えてようやく「区切り」をつけようと思い「写真」を持って一緒に「円山球場」へ来たんだとか。
あたくしは、「そうなんですか・・・・・」がやっとでしたね。情けないけど。
これは、あたくしの推測ですが、女性?男性?だかの人も亡くなった息子さんの知り合いで、きっと息子さんのことを人知れず好きでいつも練習なんかを見ていたんじゃないかと。それで、「三十三回忌」の今年の母校の決勝戦を観に来たのかな?と。なので、あの大切に持っていた「写真」は亡くなった息子さんだったんじゃないか?と。だから、「00くん」を見て「?」とような顔をしたんだと。(これは、あくまでもあたくしの推測です)
しかし、「00くん」は確実に、その幼馴染のために来たんですね。
そして、ご両親・・・・・・。
本当に不思議な不思議な一日でした。。。。。
と言うことで、今回はあたくしが「16年間の「円山球場」で断片的に体験したのを元にオムニバスの三連チャンでした。
いつか、この「トップギア!!」で書こうと思ってましたが、いつものノリのように軽くは書けなかったんですね。
時に「推測」も入っていますし、今回は色々とご迷惑を掛けるので個人名やイニシャルも控えさせてもらいました。
では、20日(土)、準決勝ですが「エスコン」へ「外山君」ら同級生と一緒に楽しんできたいと思います!!
はい、本日は「丸かの今夜もひとりバックドロップ!!」の更新日ですよ。
あっ、あの後少しして知り合いの店に行くと「〇〇、堅気(かたぎ)になったのさ。」と言っていました。あたくしは、〇〇くんなりに「区切り」を付けたんだと思いました。