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酒場道。

最近、あたくしが”金富士”のことを書くので、興味を持って頂き、
実際にチャレンジする方をお見受けしますが、きちんとしたサービスや商品を
期待してるのなら、そのような方にはハッキリ言って”おすすめしません”。

それはどういうことか申しますと、
元来”酒場”という所に、気の利いたサービスやとびっきりの商品なんて
求めちゃいけないのです。

あたくしが”酒場”が好きで行くのは、そこに”自分の世界”を作れるからなんです。
自分だけの。

そこには、そこそこの”もつ焼き”と可もなく不可もなくの店主でいい。
”金富士”の親父さんなんか、年末に最後の挨拶に顔を出した時に、
横に座ったお客さんに「おう!」と声を掛けたきりでした。

で、聞く所によると、そのお客さんは”15年ぶり”だそうです。
(普通は、もっとリアクションがあるもんだけど)

ママもママで、娘の嫁いだ先からもらった”トマト”を夏の間売っていましたが、
あたくしが「ママ、トマト下さい」と注文すると、 
「あらっ!ちょうどこれで最後よ、かとうさん良かったわね。」なんて、言っておいて、
その”トマト”をあたくしに出した後に、後ろの人も「トマト下さい!」って言ったら、
「ごめんなさい、今日はもうトマト終ったの」と言った矢先に席に座って、
自分用に取っておいた”トマト”食べ始めちゃうんですから。(自分用は別なんだ)

その変に対して、いちいち気にするのなら行かない方がいい。
あたくしなんて、そのような”真剣にやってる天然”が好きで行くのですから。

まぁ、丸かの店舗では絶対にありえない光景ですが、逆に言うと
”自分達とは間逆”なので惹かれます。

一応、顔は覚えているが、必要以上に踏み込まない。
それがある意味”40年”続けてられる秘訣なのかもしれません。

それに、”40年一筋”の店主が変に「ペコペコ」と媚をうったり、
もちベーコン串を売ってるのも、”金富士特性ミラノ風サラダ”なんていうのも嫌だ。

お酒もビールと日本酒(2種類)のみ、そして瓶ビールを頼むと追加でも人数分出てきます。
焼酎は昔は置いてたけど、親父さん曰く「めんどう」なので辞めたと言ってらっしゃいました。
(氷がないので、ボトルセットが面倒なのでしょう)

最近、立ち飲みとか00酒場と言うのが流行っていますが(大手企業まで)、
やはりどこか”うそ臭い”。立ち飲みや酒場は長年やって、そこに歴史が刻み込まれて
はじめて”味わい(雰囲気)”が出てくるのです。いわば「文化」なのです。

なのに、昨今の名前だけの”酒場”はただ”側”だけ真似ているからウソ臭いんですね、
一応、裸電球にそれらしい文字なんかで”雰囲気”は作っていますが、
スタッフを見ると、とうてい”酒場”のイメージとは違う輩がのさばっています。

結論、”酒場”において「求めすぎない」、これです。

一杯飲んで、笑顔になり、
二杯飲んで、人生を語り、
三杯飲んで、どうでもよくなる。

これが”酒場道”です。
「下町酒場巡礼」「続下町酒場巡礼」
「東京酒場漂流記」

これらを見て、あたくしが”酒場”に興味を持ちやろうと思いました。
いわば”バイブル”です。これからホ・ン・モ・ノの”酒場”デビュー
を目指す時には、これを読んでいくとよりいっそう”酒場”を楽しめますよ。

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