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よみがえる記憶・・・・・。

先日、人がいなくて急遽以前働いていたスタッフが
応援に駆けつけてくれました。

最初は”てまひま”で、と言うことでしたが、窓から
見ていると、あれよ、あれよと言う間に”満福や”へ
お客さんが上がっていきます。

まだ19:00前なのに”めぐ”が氷を借りに来ました。
「めぐ、上かなりきてる?」
「はい、けっこう。でも大丈夫です。」
と言うのを鵜呑みにしないで、直にベテランスタッフの
「マナぶぅ!」へ電話をして取りあえず”満福や”へ行かせることに。

その日のヘルプに来てくれた、「さとエリ」は上に下にと
大活躍でした。やっと「さとエリ」があがれたのは23:30を過ぎてました。

「えり、ご飯は?食べなよ。」
「はい。」

よ~し、久しぶりに何か作っか!と言うことで一応腕まくり。

実は何を作るか考えていませんでしたが、なぜかフライパンを
握っておりました。多分、それは昔の記憶が染み付いているのでしょうね。

あたくし、自分ではほとんど何も作ったことがなかったのですが、
21年前に、タスコで最初に働いた”RaP(ラップ)”と言うお店で
まぁ、なんて言うのでしょうか?酒場めし?って言うの?
焼きうどんとか、ステックサラダとか、オムライスとか、MIXナッツ(これは盛るだけ)
等のメニューがあり、入って10日目くらいに作ることになりました。

特に”オムライス”なんて作ったことがなく、最初一人前作るのに
卵を3つ使っていましたが、マスター(後の高田専務)に「加藤、3つは多すぎ、
1個で作って。」と、初体験者に対して”冷酷に”言ってのけたのです。
でも、うまく出来ないので内緒で3つで作っていましたけどね。(笑)

で、ある時、オムライスのオーダーが入り、取りあえずフライパンを温めていたのですが、
調度その頃には”接客”に慣れてきて面白くもなっていた時期なので、
その温めるちょっとの時間さえ”接客”がしたくてしたくて、半畳もないくらいの
厨房から出てすぐのカウンター越しで接客をしていたら、なんだか煙が”モクモク”と。

「あっ!しまった!」と慌てて半畳もない厨房に戻ると、熱しすぎたフライパンから
煙幕のように煙が出て、あと少し遅かったら”ファイヤー!”状態でした。
しかも慌てて水で冷まそうとしたので、余計に煙が・・・・・。

その異変に気付いた、マスターが慌てて厨房のカーテンを開けて
一言、「かとう、フライパンを温めるのは、もうそのくらいでいいぞ」と。(笑)

あたくし、その言葉に感動しました。あたくしはてっきり怒られるものばかりだと
思っていたら、「フライパンを温めるのは、もうそのくらいでいいぞ」ですもんね。

そんで、あたくしもっと”オムライス”作りをうまくなろうと思い、それから一週間
家で練習しました。南7西10の第二すみれハイツの1階のアパートで。

友達が来た時も”オムライス”ばかり出していたので、いまだにその時の
ことを言われます。

それで、その成果もあってか、常連さんの「玉野さん、宮下さん、山本さん」の
3人は「美味しい、美味しい」と言って食べてくれて、「いつもは居酒屋へ行って
から”RaP”に来るのに、あれからさぁ、かとうのオムライスが食べたくて一軒目から
来るようになったんだぞ」なんて、嬉しいことも言っていただけました。

多分、あの時、マスターではなく、あたくしだったら怒鳴っていたと思います。
でも、天然なのか優しさなのか判断が付きにくい所ですが(多分、天然です)、
あのように言ってくれたことで、「よし!もっと頑張ろう!!」と思い自発的に
一週間毎日”オムライス”を作り続けた結果「美味しい!」と言われて自信も付き、
億劫(おっくう)にならないで厨房にも入ることが出来たんだと思います。

そんな温かい上司や先輩や同僚がいたから、それから17年も頑張れたのです。
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当時はもっと上手でしたよ!

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