「下足番を命じられたら、日本一の下足番になってみろ。
そうしたら、誰も君を下足番にしておかぬ。」
これは、阪急グループの創業者でもある”小林一三(いちぞう)”氏の言葉です。
阪急電鉄や宝塚歌劇団を」はじめとする阪急グループを作った方で、当時の実業家なので
色々な意味で筋金入りな人物だったと思います。
それだけに、冒頭の言葉は非常に重いし、説得力があります。
下足番とひとえに言っても、大勢の履き物を出し入れするので結構重要で大変な
仕事なんですよね。
その昔、「漫遊亭」という料理屋で70過ぎの下足番のおじいちゃんが働いて
いたのですが、その方が凄かったんですよね。
何が凄いか?と言いますと、
ある団体さんの主要な人物の履き物をちゃんと覚えていて、
途中で用事が出来て帰るような時には、ちゃんとその方の履き物を間違えないで
用意するんです。(同じ時間帯に何組かの団体さんも重なるのに)
もう、20年近くになるので今現在は・・・・・。
と思いますが、そんじょそこらの人よりも下足番と言う仕事に誇りを持っていました。
当時、あたくしのような青臭い人間が”部長”などと呼ばれても、ちゃんと
履き物を用意して頂けました。
あの時のあたくしは(今でもだけど)、履物には気を使っていなかったので
ましてや現場にも出ていたのでボロボロの靴だったので、今にして思えば
あのおじいちゃんはなんて思っていたのでしょうかね?
「足元を見られる」と言われるくらい、足元でその人間の価値が分かるそうなので、
きっと・・・・・。
今回は”下足番”ですが、これはあくまで比喩で「なんで、俺がこんな仕事を
しなくちゃいけないのよ!」などと思わないで、真面目にしかも極めて
行うと、必ず引き上げられる機会が来ます。そう思って事にあたって欲しいですね。
ちょっと、良いこと書いたか!?(えーど、えーど!)
追記 その”下足番”のおじいちゃん、もしかして全員のお客さんの履き物を
覚えていたかも知れません。