函館出身で文芸評論家の
”亀井勝一郎”氏は、
「人は後姿について全く無意識だ。
「そして何気なくそこに
全自己をあらわすものだ。
後姿は悲しいものである。」
と、自著の「大和古寺風物詩」で
述べておられます。
題名の「飲食店の基本は。」なのに、
「どうした?」と思われるかも
知れないけど、もの凄く重要な
意味が込められているんですね。
先ず、若い時に言われたのは
「今日来たお客さんをまた明日
来させる思いで接客しろ」と。
これは、「俺は料理を作る側だから
関係ない」と思ったら、
デッカイ間違いもいい所です。
ホールもキッチンも同じです。
今はあまり見られないけど、
お客さんではなく、「料理を作る」が
自分の仕事だと思っているアホが
いました。
本末転倒です。
いくら料理を作っても誰に出してるのか?
誰がその料理にお金を払うのか?
見せるだけの料理ではないんです。
それなら品評会で十分。
お客さんを喜ばす、満足させるための
料理であるからです。
なので、料理でも「今日食べたお客さんが
また明日食べに来る」料理を考え、作り、出すこと。
もちろん、満足させる料理だけではなく
ホールスタッフの頑張りもそうです。
そして、その店に居る時間の雰囲気が
良いと言うことになるんですね。
で、題名でもあるキーワードの
「後ろ姿」です。
そう、「お客さんの後ろ姿でまた来るか来ないか」
が分かる。「寂しそうな後ろ姿でお客さんを
帰すな」とも言われました。
いくら、最後に「ありがとうございました!」と
笑顔で元気よく言ったとしても、
それは「悪あがき」でしかない。
ホール、キッチンと全員がその一人、
一組のために「また明日来てくださいね!」と言う
思いで営業をして、寂しくはない姿を
見送ることが出来る。
飲食店は様々な要素で成り立っています。
しかし、大本はとてもシンプルです。
専門用語や高級食材、きらびやかな内装ではなく
単純に、
「今日来たお客さんを明日来てもらう営業をする。」
これだけなのよ。
追記 あんた、そこに愛はあるんか?今じゃこんな教え方を
する人は見掛けないけどね。(笑)