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『人間力』

あたくしは飲食業で最も大切なのは今でも”接客”だと確信しております。

よく「存在感がない」とか「線が細い」「影が薄い」などと呼べれるスタッフがおりますが、
単純にその人が発するエネルギーが足りないのだと思います。
そう。『人間力』です。

確かに飲食店が繁盛する理由は立地や業態・味の美味しさ内装や流行もありますが、
一度や誰かに連れられて行くのなら話題つくり等でいいのかも知れませんが。
何度も行く店でしたら「あの人が居るから」「あの人に会いに」という理由が重要な
要素だと思います。

では単に口が達者ならいいのか?と問えばそんなことは在りませんし、大きな声を
出して無理やり活気を出せばいいのか?と言うことでもありません。

よく仕事やその店に慣れたベテランよりも入ったばかりの新人の素直な
一所懸命さが好感を持たれるのと同じで、相手に対して物事に対して、
そして自分自身に対して”一所懸命”な姿が最も重要な要素だと思うのです。

そこには自分自身のいわば人生が掛かっているし生き様でもあるから。

不思議なもので店ってそこで働いている人の”生き様”が見えるんですね。

その人がこれまで「どのような人生を歩んで来たか」とか「どんな考えで
生きてきたのか」といったことがとても分かります。

言い訳ばかりする人、ずるい人、セコイ人、自分の体裁ばかり気にしている人、
強いものはめっぽう弱くて弱い人にはめっぽう強い人、時間だけ働く人、
言われたこと以外はやらない人、自慢ばかりする人など・・・・・。

大体にしてそのような人たちは「人に対して正面から向き合っていない人」に多い。

つまり本音や本質から逃げている人です。自分に都合の悪い人や事柄から常に「逃げる」。

それも自分自身を精神的・肉体的から守ろうとする本能なのかも知れないですが、
そこに甘んじているから「人間力」が薄くなる。

業績を上げるのも、ヒットメニューを考えるのも確かに一筋縄では行かない。

けれど何が一番重要で面倒で神経を使うかというと”人に対して”です。

それはお客さんだけではなくスタッフ同士に関しても。
これは非常に難しい。家族でもなければ恋人でもないまったくの他人だから。

けれども、初めて来店した人でも、苦手な人でも、ただ飲食だけを求めて来た人で
あっても一旦自分の目の前に現れたのなら、帰る頃には「言い店だわ!
また来るから覚えておいてね!」と呼ばれ位じゃないのと行けない。

お客さんが「言い店だわ!」とか「また来るから覚えていてね!」と言う場合は
大抵の場合はそこで働いている人が光っているから、気に入ったからです。

失敗を恐れないで、逃げないで正々堂々と初めてだろうが常連だろうが、
異性だろうが同性だろうが、歳が離れていようが、団体だろうが関係なく
”一所懸命”に人と向き合っているからです。

それは一見、人と向き合っているように見えて実は「内なる自分の弱さと
向き合っている」のです。だから料理屋だろうと何だろうと目の前に現れた
人間は自分を成長させるための試練なのです。

あたくしも何度もお客さんに怒られたり嫌味を言われたり、スタッフと意見が対立したり
と様々なことが起きてきましたが「ここで逃げたら”尾張”」と言う意識が常にありました。

不思議なことに面と向うと濃い繋がりになることがほとんででしたし、そのような
お客さんがまた違うお客さんを連れてくるのです。

その時は料理とか値段とかではなく「人と人の深い繋がり」なので
天気が悪かろうと、給料前だろうと不景気だろうと関係なく顔を出してくれます。

そのようなお客さんは同じような店が隣に出来ても、まったく関係なく来てくれる。

それは店が良いとか料理が上手いとかではなく「お前に逢いに来てるんだ」
という強い絆があるのです。

正直っ言ってここ数年は「業体力」を磨くようにして来ましたが、最近は
「100%接客でお客さんを呼べる店にしようぜ!」と言う様にしました。

やはり、一番の武器はこの世に一人しか言いない”自分自身の人間力”ですから。。。。。