飲食店では商品を美味しくする努力や工夫は大切で素晴らしいことです。
ただ、それだけでは飲食業の本当の楽しみは不十分です。
飲食業には人が関わっています。
商品を考え、準備して、作るのも人ですし、それをお客さんにメニューにして
おススメするのも人です。しかも、オーダーを取るのに無言で取る人はいません。
(いる店もあるけど)
また、飲食業には幽霊も宇宙人も人間以外の動物は来ません。(多分)
飲食をする人も、そして、その飲食を提供する人も血の通った感情のある人間です。
それは、社会経験が浅い学生だからとか、専業主婦だったからとか、
飲食経験は始めてだとか、調理師なので作る専門ですなどと言うのはどうでもいいんです。
社会経験の浅い学生でも、好きな彼氏や彼女を大切にするでしょ?専業主婦でも
子供を可愛がるでしょ?飲食業が初めてでも飲食はするでしょ?
そして、その飲食で感じの良い店と悪い店の経験はしたことあるでしょ?
料理を作る専門ならばどこかの加工センターとかで働けばいい。しかし、飲食業は
一所懸命に働いたお金を持って気持ち良い一時を求めてお客さんが来るし、
一緒に働く人も感情のある人間です。
どんなに美味しい料理を作っても、それを誰がおススメするんですか?
作るだけだから、作ったらカウンターに乗せて置いて「勝手に取れ」ですか?
しかも、無言で。
あたくしは、この仕事を始めてから今でも言い続けてるし、やり続けています。
「”飲食業は人が全てだと”」
追記 コロナで人が来なくなったり、街に人が少なくなるのは仕方のない事。
がしかし、我々飲食業側は「仕方ないよね」なんて口が裂けても言わないし、言えないんですね。
なぜか?それは「”人が全てだから”」
その昔、”タスコ時代”に”山田専務”と言う上司がおりまして、その方の口ぐせで
「”かとう”、お客さんも働いてる人も”生身の人間なんだ。完璧な人間はいない”」と。
そう、色々と様々な環境や条件の中で人は生きていくから、時に傷つき、そして喜びとね。
まぁ、「だって人間だもの」と共通する言葉じゃないでしょうかね。