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これはナンドーズレストランに行く時にでも着用できる時計たちだ。

2025で発表されたスペシャルエディション全モデルを紹介。

今年もまたBritish Watchmakers’ Dayが再び開催される。参加ブランドから25本以上のスペシャルエディションが発表され、2025年3月8日にロンドンのリンドリー・ホールを華やかに飾る。しかし、このイベントを今知った人にとって残念な知らせがある。協会の会員および一般向けのチケットはすでに完売しているのだ。ただし公式ウェブサイトによれば、キャンセルが発生した場合は一般向けに再販されるとのことだ。

出展ブランドやスペシャルエディションを手がけるメーカーは、すべて英国を拠点としている。その多くは英国国内で組み立てられており、なかには今回のイベントを機に初めて自社製の時計を国内で製造するブランドもある。参加ブランドのほとんどはマイクロブランドと呼ばれる小規模メーカーであり、ムーブメントにはミヨタ、セリタ、セイコーインスツルメンツ製のキャリバーが多く採用されている。オーデマピゲスーパーコピー 優良サイトそして最後に、多くのブランド(いや、おそらく大半が)売上の一部を協会に還元する仕組みを取っている。

コンプリケーション
今年のスペシャルエディションの多くは複雑機構を搭載していないが、それも驚くことではない。しかし、英国時計界で名を馳せるふたつのマイクロブランド(もはやこの2社をそう呼ぶのは適切ではないかもしれない)が、それぞれの代表的なモデルをベースにした極少量生産の特別モデルを用意している。クリストファー・ウォードは、巨大なムーンフェイズディスクを備えた37mmアベンチュリンダイヤルの新作に、遊び心あふれるアレンジを加えている。このモデルでは、アベンチュリンダイヤルにユニオンジャックの輪郭をレーザーエッチングし、さらに写実的な大きな月の上に、同ブランドのシニアデザイナーであるウィル・ブラックフィールド(Will Brackfield)氏が手描きした宇宙飛行士のキャラクターを描いている。赤い秒針と、それにマッチしたストラップを備えた“クリストファー・ウォード C1 ムーンフェイズ ミッション・トゥ・メイデンヘッド”は25本限定で製作されるが、英国旗を大胆にオマージュしたデザインは、まさにストレートな英国愛を感じさせる。

フィアーズ(Fears)は、最近話題のブランズウィック・ジャンピングアワー コンプリケーションで勢いに乗っている。このジャンピングアワーのモジュールを手がけたのは、クリストファー・ウォードだ(またお目にかかったね)。今回の特別仕様では、40.5mmの“エドワーディアンエディション”にロンドン・アッセイ・ホールマーク入りの鏡面仕上げが施されたソリッドスターリングシルバーケースと、ラッカー仕上げのホワイトダイヤルを採用している。

特筆すべきは、ジャンピングアワーにヴィンテージの懐中時計を思わせるセリフ体のフォントを採用したのは今回が初であること、そしてこの10本限定モデルのためにジャンピングアワーディスクが新たに製作されたということだ。価格は付加価値税込みで5450ポンド(日本円で約100万円)と決して安くはないが、フィアーズの卓越したコンプリケーションにふさわしい素晴らしいデザインであり、きっとすぐに完売することだろう。

ツールウォッチ
もし高級コンプリケーションが好みでないなら、幅広い価格帯で特別仕様のツールウォッチを展開するいくつかの英国マイクロブランドをおすすめしよう。英国旗のカラーテーマはここでも続き、アルキン(Alkin)はモデル スリー ダイバーズウォッチの特別エディションを発表している。ネイビーダイヤルに植字のアラビア数字を採用し、さりげなく赤のアクセントを加えたデザインとなっており、40本限定で展開される。ベルファストを拠点とするノマディック(Nomadic)は、フィオール 555 GMTを50本限定でリリース。おなじみの“ペプシ”カラーリングにホワイトダイヤルを組み合わせ、さらにイエローのGMT針を加えることでひと味違った個性を演出している。また、エリオット・ブラウン(Elliot Brown)もホルトン GMTにユニオンジャックを感じさせるアレンジを加えているが、今回はこの10本限定モデルに初めてサテン仕上げを施し、さらに統一感のあるサテン仕上げのスティールブレスレットを組み合わせた。そして最後に、夫婦で立ち上げたゴルビー・ウォッチズ(Golby Watches)が新たにコースタルコレクションを発表。25本限定の特別モデルがイベント会場で直接購入可能となっており、通常モデルはクラウドファンディングを通じて展開予定だ。

もしBritish Watchmakers’ Dayで手に入れるダイバーズウォッチが、青・赤・白といった英国旗カラーを前面に押し出していないものがいいなら、マーロー(Marloe)が用意している。同ブランドのモラー 310は、100本限定で英国で組み立てられたモデルで、ツールウォッチのなかでも特に個性的なケースデザインを持つ。このモデルの鮮やかなイエローとライトブルーのカラーリングは、スウェーデンとスカイ島の国旗に由来している。どちらもブランドの共同創業者にとって特別な意味を持つ場所だという。一方、ヴァーテックス(Vertex)は英国から離れたテーマで、バカンス気分へシフト。M60 タオルミーナは、シチリア島をイメージした鮮やかなブルーカラーをまとい、50本限定のシリアルナンバー入りモデルとして登場する。

ダイバーズウォッチだけでなく、フィールドウォッチもいくつか登場している。なかでもお気に入りは、エディンバラのクレメンス(Clemence)が手がけるムンロ(下の写真)の特別仕様だ。ダイヤルをすっきりとさせ、ゴールドアクセントを加えた限定10本のモデルである。革新的ではないが、その抑えたデザインがかえって魅力的に映る。ゲコタ(Geckota)は、クッションケースのパイオニアに、縦方向のサテン仕上げを施したラピスブルーフュメダイヤルを採用。6時位置にはゴールドのユニオンジャックをプリントし、英国らしさを演出している。イベント後に50本限定でオンライン販売予定だ。オモロガート(Omologato)はアーナージ GMTを10本限定で製作。ベル&ロス風のスクエアケースに、スネイル仕上げを施したチェリーレッドのセクターダイヤルを組み合わせた個性的なモデルだ。

Clemence Special Piece
クレメンス ムンロ

Geckota
ゲコタ パイオニア

Monro
モンロー アドベンチャー ダイバー、抽選販売モデル

一方、このイベントで唯一購入できないモデルがモンロー(Monro)のアドベンチャーだ。今回も赤・白・青のカラースキームをまとったユニークなダイバーズウォッチである。このモデルは販売されるのではなく、イベント会場で抽選をし当選者に贈られる。つまり、ある意味では今回のイベントで最も“安い”時計ということになるのかもしれない。

クラシック
ここからは、タフなツールウォッチとは一線を画し日常使いに適したモデルの紹介だ(とはいえ、それが理由でペラゴスをオフィスでつけるのをやめるわけじゃない)。このカテゴリーの勝者は、ファーラー(Farer)のオーロラだ。36mmケースのシンプルな3針モデルで、美しいコッパーギヨシェ風ダイヤルに加え、ブラックのオーバープリントが施された夜光インデックスを採用している。夜光のブロック状の数字にアウトラインを加えたデザインは、これまで見たことがないユニークな仕上げだ。生産数はわずか10本と少ないが、幸運にも後日、シリアルナンバーなしの追加90本が発売予定である。

以下のギャラリーで、この特別モデルをチェックしてみて欲しい。

ダックワース・プレステックスは、ヴィンテージデザインの魅力を存分に取り入れたプレステックス No.2を25本限定で発表。クッションケースにエナメルダイヤルの懐中時計を思わせるデザインを組み合わせつつ、手に取りやすい価格帯に落とし込んでいる。“一体型ブレスレット”アイコンをほうふつとさせる1本を探しているなら、オリヴィエ・メイラン(Olivier Meylan)が英国で初めて組み立てるPESも注目の時計だ。ダイヤルにはユニオンジャックが施され、わずか5本限定で展開される。ポンピーク(Pompeak)は、オープンハートのジェントルメンズ・クラシックにギヨシェ仕上げのレッドフュメダイヤルを採用し、15本限定でリリース。シデレウス(Sidereus)はゴードン ベネットモデルの3針ウォッチを5本限定で製作する。ダイヤルにはブリティッシュ・レーシング・グリーンとオレンジのアクセントを取り入れ、英国の時計製造への敬意を表すとともに、ブランドのアイルランドのルーツを思わせるデザインに仕上げている。ピニオン(Pinion)は赤と青をミックスし、個性的なライトパープルのスタンプギヨシェダイヤルを採用。ニュートロンバイオレットとして、38mmケースの30本限定モデルを展開する予定だ。

ワイルドカード枠
ここからは、デザイン性を前面に押し出したユニークなモデルを紹介しよう。こうしたショーにふさわしい、アート性の高い時計たちだ。ミスター ジョーンズ・ウォッチズ(Mr Jones Watches)ほど、時計に興味のない友人たちを引きつけたブランドはないかもしれない。遊び心あふれるデザインとアーティストとのコラボレーションで、独自の時間の読み方を提案するブランドとして知られている。今回のBritish Watchmakers’ Dayに合わせ、ロンドンを拠点とする同ブランドは新たな特別モデルを発表。ブライトン在住のアーティスト、ミスター・フィル(Mister Phil)氏とのコラボレーションモデルカオシファイに、初めて機械式ムーブメント(セリタ SW200)を搭載したバージョンが登場した。10本限定の少量生産で、それぞれにマルチカラーのステッチを施したハンドメイドのレザーストラップが付属する。

サザビーズとHeist-Outによるテーマオークションが新登場。

ジャクリーヌ・ディミエ(Jacqueline Dimier)といった、しばしば見過ごされがちなデザイナーたちによる個性的なデザインが披露され、さらに豪華な装飾もふんだんに取り入れられていた。

そして今年、彼らは“エリア51(Area_51)”と題した新たなオークションを開催する。今回はUFOをテーマにした腕時計のエキシビションで、ジュネーブの地で4月1日(火)からジュネーブでスタートする。4月2日(水)にはイブニングレセプションが行われ、そして4月3日(木)にライブオークションが開かれる。もしWatches & Wondersの開催期間中にジュネーブを訪れるなら、この特別なイベントを見逃す手はない。

ロレックスコピー 激安 “スターシップゴールド(Starship Gold)”。イエローゴールド(YG)製オーバルブレスレットウォッチ、1980年ごろ。エスティメートは 8000~1万2000スイスフラン(日本円で約133万〜200万円)。

パテック フィリップ Ref. 4233/1。YG製ブレスレットウォッチ、ラピスラズリ、マラカイト、ターコイズによる装飾、1973年ごろ。エスティメートは2万~4万スイスフラン(日本円で約334万〜668万円)。

パテック フィリップ Ref.4117/1G アスプレイ販売モデル。ホワイトゴールド(WG)製、ダイヤモンドセットのブレスレットウォッチ、バタフライウィングダイヤル&ブレスレット、1973年ごろ。エスティメートは5万~10万スイスフラン(日本円で約834万〜1668万円)。

上記のロレックスとパテック フィリップの3本は、両ブランドのなかでも特に異彩を放つデザインだ。正直なところ“スターシップゴールド(Starship Gold)”というモデルをこれまで見た記憶がなく、詳細を探しているものの情報がほとんど見つからない。それだけにこの1本にオークションでどれほどの高値がつくのか、非常に興味深い。一方、バタフライウィングをモチーフにしたダイヤルを備えるパテック フィリップ Ref.4117/1Gは、クラシカルなスタイルを重んじるメゾンのなかでは異端ともいえる魅力を持った個体だ。

また、若手ブランドであるファーラン・マリとトレダノ&チャンによるユニークな2本にも注目している。ファーラン・マリのディスコ・ボランテ(英語で“空飛ぶ円盤”)は、“エリア51をテーマとしたオークションにはうってつけだ。この特別仕様ではタンタル製のケースにメテオライトダイヤルを採用し、SF的な世界観をさらに押し広げている。トレダノ&チャンは、建築的なデザインで人気を博したb/1に続き、新作b/2を発表する。新モデルはロッキード・マーティン社のF-117 ステルス戦闘機からインスパイアされており、サンドブラスト仕上げのマットグレースティールケースに、24Kゴールドプレートのダイヤルを組み合わせたデザインとなっている。

ファーラン・マリ ディスコ・ボランテ。 新作かつユニークなタンタル製腕時計、メテオライトダイヤル搭載、2025年製造。エスティメートは6000~1万2000スイスフラン(日本円で約100万〜200万円)。

トレダノ&チャン b/2。 新作かつユニークなステンレススティール(SS)製腕時計、ゴールドプレートダイヤル搭載、2025年製造。エスティメートは 8000~1万2000スイスフラン(日本円で約133万〜200万円)。

オークションに出品されるいくつかの“王道”といえるブランドのなかにも、実際にはかなり個性的なモデルがそろっている。たとえばヴィンテージのオーデマ ピゲ “スターホイール”、レッセンスのType 3AM、ウルベルク(間違いない)、さらにジェラルド・ジェンタによるプラチナ製&ダイヤモンドセットのミニッツリピーターや、AP ロイヤル オーク コンセプトの初期モデルなどがラインナップされている。そして、宇宙をテーマにしたオークションにMB&Fが登場しないわけがない。

オークションおよびプレオークションの展示はラ・サール・トロクメ(La Salle Trocmé)で行われ、昨年同様にトレーディングカードが配布される予定だ。来場者は、4月3日にオークションにかけられる全51ロットのカードをコレクションできる。この特別なオークションは、ジュネーブ時間の午後5時からスタートする予定だ。

オーデマ ピゲ ロイヤル オーク コンセプト“CW1” Ref. 25980AI。限定生産のアラクリット&チタン製トゥールビヨンウォッチ、パワーリザーブ表示、ダイナモグラフ、ファンクションセレクター搭載、2002年ごろ。エスティメートは 10万~20万スイスフラン(日本円で約1668万〜3335万円)。

新機能の話はあとにするとして、まずは基本スペックから紹介しよう。

オブスキュラはダイバーズウォッチ風のデザインを採用したステンレススティール製のスポーツウォッチだ。ケース径は38mm、ベゼル込みで40mm、厚さ11.7mm、ラグからラグまで47mmのサイズ感。防水性は100mで、ストラップはクイックリリース機構付きのSS製ブレスレット(ノダス独自のNodeXツールレス・マイクロアジャスト付き)とラバーストラップの2種類が付属する。

オブスキュラはシンプルな3針レイアウトを採用しており、ムーブメントにはTMI NH38を搭載している。TMIは香港を拠点とするセイコーグループの子会社だ。このムーブメントは日付なしの仕様(いわゆる“ファントムポジションなし”)で、2万1600振動/時(3Hz)、パワーリザーブ約41時間、自動巻きというスペックを持つ。要するにシンプルで実用的な自動巻きムーブメントであり、オブスキュラの手に取りやすい価格帯にマッチしているというわけだ。とはいえこの時計の魅力はムーブメントにあるわけではない。最大の特徴は、なんといってもベゼルだ。

ここでちょっとした補足をしよう。カルティエ スーパーコピー次の話に入る前に、ベゼルと見返しリングについて触れておく。オブスキュラに採用されたこのデザインは、Beers And Camerasの創設者であるファン・マルティネス(Juan Martinez)氏によって考案され、のちにアメリカと中国で特許を取得したものだ。僕は数年前にドイツのライカのイベントで初めてファン氏と出会い、それ以来の付き合いだ。彼は新旧問わずあらゆるカメラを愛する生粋のカメラ好きであり、同時に時計マニアでもある。そしてこの時計は彼が長年温め続けてきた夢のひとつだった。

このアイデアは一見複雑に思えるかもしれないが、本質的には露出を設定するため(つまり、撮影したい画像が明るすぎたり暗すぎたりしないようにカメラを調整する方法)の手法をサポートするベゼルをつくり上げたということだ。できるだけシンプルに説明してみよう(もし写真に超詳しいなら、これはあくまで簡略化した説明だと思って欲しい)。この手法は“サニー16ルール”と呼ばれ、シャッタースピードと絞り(F値)のバランスをカメラにセットしたフィルムのISO感度を基準に調整するものだ。フィルムカメラの場合、ISOは固定されているため環境の明るさに応じて、レンズをとおる光の量とシャッタースピード(シャッターが開いている時間)を調整する必要がある。

オブスキュラのデザインなら、ベゼル上の絞り値を見返しリングのISOインジケーター(12時位置と6時位置)と合わせるだけで、適切なシャッタースピードを判断できる。見返しリングには、F/16(光をほとんど通さない狭い絞り)からF/1.4(多くの光を取り込む非常に広い絞り)までの目盛りが刻まれている。周囲の環境が暗いほど、絞りを開く(F値を小さくする)かあるいはシャッタースピードを遅くする必要がある。 そうすることで十分な光を取り込み、適切な露出を確保できるのだ。ストリートフォトグラフィーでは、このルールを活用することで露出の調整を素早く行うことができる。 もしくは外部の露出計を使いながらじっくり撮影プロセスを楽しむこともできるだろう。

オブスキュラのベゼルは双方向に回転でき、ベゼル上のシャッタースピードと、ISO 100およびISO 400に対応した目盛りが連動している。 さらに、それぞれに“+1”のオプションがあり、200や800にも対応できるようになっている。ノダスはこのベゼルの使い方について、以下のステップをガイドとして説明している。

1. ベゼルを時計回りに回し、希望する絞り値に白いマーカーを合わせる。

2. フィルムのISO感度に基づいて、文字盤の見返しリング上の適切なISOマーカーを探す。
- ISO 100または+1でISO 200(見返しリングの“12時”位置に記載)
- ISO 400または+1でISO 800(見返しリングの“6時”位置に記載)

3. ステップ2で選んだISOマーカーとベゼル上の数字が合致する箇所を確認し、推奨されるシャッタースピードを読み取る。高速シャッタースピードに達するまでは、通常ふたつの数値(晴天時の速度と曇天時の速度) が表示される。

複雑? まあ、少しだけ。ただし、これがフィルム写真における露出の世界だ。特にカメラに内蔵されていない場合(もしくは、それを信用していない場合)はなおさら。もちろん、露出計を使うほうが正確なのは間違いない。ただこのベゼルの魅力は理解できる。フィルム写真にある程度慣れていれば、ベゼルを見ただけで直感的に理解できるはずだ。上のアニメーションで、ベゼルの動作を確認してみよう。

上のGIFを参考にしながら、F/8で撮影すると仮定してみよう。ベゼルをF/8に回すと、12時位置のISO 100マーカーが示すシャッタースピードは、晴天時で500分の1秒、曇天時で60分の1秒になる。一方で、より感度の高いフィルムに対応するISO 400マーカーでは、晴天時で2000分の1秒、曇天時で250分の1秒と表示される。その隣には“+1”の設定があり、それぞれの速度も確認できる。一見情報量が多く感じるかもしれないが、やっていることは単純だ。ベゼルを希望のF値に合わせるだけで、ISO 100、200、400、800の適正なシャッタースピードをひと目で確認できる。この仕組みは実にスマートでありながら、時計としてのデザインバランスもしっかりと保たれている。

ノダスは今週初め、650ドル(日本円で約10万円)するオブスキュラのプレオーダーを開始した。この価格にはブレスレットとラバーストラップが含まれている。配送開始は2025年6月を予定しており、詳細なスペックについては以下のとおりだ。

たったの650ドル?  いまやフィルム5本分ってところか。冗談だが。とはいえノダスとB&Cが写真マニア向けに最高にクールな1本をつくり上げたのは間違いない。僕はベゼルコンプリケーションが大好きだ(まあ、そもそもコンプリケーションと呼べるかどうかは微妙なところ。12時間表示のベゼルや、60年代のちょっと変わったワールドタイムベゼルなんかを考えてみて欲しい)。このベゼルはマニア心をくすぐる仕様でありながら、とても完成度が高い。これが必要かって? 別に必要ではない。ただしフィルムで写真を撮るのも腕時計をつけるのも、結局はそういう“必要ないけど楽しいこと”のひとつだろう?

ほとんどの写真と同じく、フィルム撮影は体験であり、趣味であり、アートでもある。 そしてBeers And Camerasのようなグループのおかげで、仲間をつくりながら熱中できる趣味として楽しめ、撮影と学びが尽きない世界でもある。それにカメラを触ったことがない人でも、このベゼルはコンパスベゼルよりもよっぽど実用的だと言える。最後に、このベゼルについて触れておこう。これは実は素材にブロンズが使われており、その上にブラックDLCコーティングが施されている。 リューズも同様だ。この仕上げには意図があって、まるでブラックペイント仕上げのライカのように、使い込むことで傷がつきエイジングが進むよう設計されている。

これは素晴らしいコラボレーションだと思う。ノダスにとって初の試みではなく、デザインラボシリーズでは毎回見事な仕事をしている。これまでにも、レイブンとのトレイルトレッカーをはじめ、WatchCrunch、The Smoking Tireのマット・ファラー、The Pen Addict、Watch Clicker、さらにはレッドバーとのコラボレーションも手がけてきた。これらの多くは遊び心のあるカラーや個性的なデザインが特徴的だったが、オブスキュラはまったく新しいアイデアを取り入れ、手の届く価格で今年登場した。

さらに、ファン氏がBeers And Camerasを通じて築き上げたものを見てきたが、そこはカメラや写真を愛する仲間たちが集まって自由に交流できる場になっている。このコミュニティは成長を続け、いまや世界中に広がる存在だ。プロである必要もコレクターである必要もない。 中判カメラについて語る必要もなければ、昔の写真文化にノスタルジーを感じる必要もない。ただ、同じ趣味を持つ仲間と一緒に撮影を楽しみたいという気持ちがあればそれでいい。 そしてもしかしたら(できれば)、時計好きともつながれるかもしれない。

ジン、U-ボート・スチール製ダイバーズと新作ダイブクロノグラフを発表

ドイツの機能美を体現するブランドといえば、ジンをおいてほかにない。フランクフルトに拠点を構えるこのブランドは流行に流されず、堅実なウォッチメイキングを貫いてきた。これは容易なことではない。しかしブランドの哲学は揺るがず、今回も明確な方向性を示す6つの新作を発表した。なかでも意外性のある(あるいは、真っ当に予想どおりの?)素材を採用したUシリーズのダイバーズ3モデル、そしてジンの真骨頂を示す2本のダイブクロノグラフが目を引いた。

ジン 613Stおよび613St UTC ダイビングクロノグラフ
今年の新作のなかでもまず注目すべきは、新たなダイブクロノグラフのふたつのバージョン、613Stと613St UTCだろう。ダイバーズウォッチは大小さまざまなブランドから展開されているが、ダイブクロノグラフとなるとそれは限られた熱心な愛好家向けのニッチな領域であり、まさにジンの得意分野だ。

新作613Stのプレスリリースはまるで水中溶接工の作業リストを読んでいるかのように、無駄な美辞麗句が一切ない。華やかな言葉に慣れた目には新鮮で、ジンがいかに実用性を重視しているかがよく伝わってくる。このモデルはジン独自の技術を駆使しつつ、パテックフィリップスーパーコピー 激安ダイブクロノグラフのコレクションを拡充するものだ。

206シリーズと比較すると、ケース径は43mmから41mmへと小型化されている。その姿は、ユニークな左リューズモデルEZM 13.1のデザインを反転させたようにも見える。EZM 13.1は知る人ぞ知るマニアックなツールウォッチだが、613Stも同じケースサイズを踏襲。ただしEZMシリーズで使用されていたジン SZ02キャリバーではなく、コストパフォーマンスに優れたセリタのSW 515を採用している。これによりコンパクトなサイズ感を保ちつつ、価格を抑えることに成功した。価格はシリコンストラップ仕様で62万7000円、ブレスレット仕様では71万5000円(ともに税込予価)。DIN 8310および8306規格に準拠する防水性能とダイビング適性を備え、機能性とスポーティな魅力を兼ね備えたモデルとなっている。

ジン 613Stは、ブランド独自のArドライテクノロジー(内部の湿気を防ぐ機構)を備えており、100ミリテスラ(8万A/m)の耐磁性能を誇る。これはDIN 8309規格に準拠した従来のガウス単位とは異なる尺度であり、一見過剰とも思えるが、ロレックス ミルガウスの1000ガウスに相当する磁気誘導耐性を持つ。ビーズブラスト加工が施されたスティールケースとブレスレットは、ひと目でジンとわかるデザインだ。実際に104 Stを着用した経験から言えば、41mmのケースはコンパクトに感じられる。

サファイアクリスタルの内外には反射防止コーティングが採用されており、視認性は抜群だ。マットブラックのダイヤルはジン独自のラチェット式特殊結合のベゼルによって縁取られ、60分積算計が備わる。このベゼルは操作感がしっかりしており、夜光が塗布されたインデックスが視認性を高めている。しかしシンプルなデザインのEZM 13.1とは異なりクロノグラフの60分積算計は逆パンダ配色(白地に黒のインデックス)となっており、赤い先端の針がアクセントとして機能する。これにより夜光が施された時・分針と差別化され、判読性が向上している。

ダイヤルには3時位置にデイデイト表示も搭載。デイト表示の有無について議論が尽きないが、ジンの哲学は視認性と機能性を追求することであり、装飾としての意図はない。また613Stの別バージョンとして、613St UTCも展開されており、ヘアライン仕上げのHリンクブレスレットかシリコンストラップが付属。こちらは第2時間帯を表示する機能も備える。ムーブメントにはセリタ SW535をジンでアレンジしたものを搭載し、グレーでプリントされた24時間計とグレーのUTC針によって異なるタイムゾーンを示す。価格はブレスレットで84万1500円、ストラップで75万3500円(ともに税込予価)となっている。500m防水のダイブクロノグラフにGMT機能を搭載したモデルで、この価格帯のものはほぼ皆無だ。

ジン 613に対抗できるビッグブランドのモデルはあるだろうか? たとえばオメガ シーマスター プラネットオーシャンは600m防水を誇り、ブレスレット仕様で提供されている。しかしケースサイズは45.5mm径に厚さ18.9mmと巨大だ。価格も200万円前後とジンとは比較にならない。もちろんジンが手を加えたSW515ムーブメントは、オメガのコーアクシャル9900キャリバーには及ばない。しかし価格を考えれば十分な選択肢だ。もし613Stまたは613St UTCの機能と耐久性を80万円以下で実現したモデルを見つけたら、ぜひコメントで教えて欲しい。

Uボート・スチール製の限定モデルU15、U16、U18
ジンのUシリーズからリリースされた新作ダイバーズウォッチ3本は、それぞれ1000本限定。ジンがドイツ製潜水艦用のスティールを使用し始めて20周年を迎えることを記念し、これまでの設計をベースにしながらも意外性のあるダイヤルデザインを加えた特別仕様となっている。モデル名はドイツの退役潜水艦(Uボート)に由来し、それぞれのケースにはその艦体と同様のスティールが使用されている。今回注目すべきは、ブランドが光沢感のあるブルーまたはペトロールグリーンのダイヤルを採用した点だ。サテン仕上げのスティールケースと対照的でありながら、間近で見るとさらに奥行きを感じさせるデザインとなっている(潜水艦内部での生活を意識したわけではないだろうが、思わずそう感じさせる仕掛けだ)。

それぞれのダイヤルには中央に広がる気泡のパターンがデザインされており、メタリックブルーやグリーンのプリントによって立体的な表現が施されている。これは単なる装飾ではなく、それぞれの潜水艦がたどった冒険を象徴するものだ。またダイヤルには元の艦艇が運航中に航行した実際の海里(nautical miles)が記されており、ベゼルに施された青いラッカー仕上げの分刻みがバブルモチーフのブルーと調和している。

この特別モデルの軸となるのが、Uボート・スチールという素材だ。これはドイツ海軍の212型非核潜水艦などに採用されるティッセンクルップ(ThyssenKrupp)社製の特殊合金であり、その強度は一般的な316Lスティールの155%以上に達する。今回使用されているスティールは退役した206型潜水艦のもの。ケース製造を担当するザクセン時計技術社 グラスヒュッテ(Sächsische Uhrentechnologie GmbH Glashütte)が潜水艦の湾曲した鋼材をまっすぐに矯正し、ケースの元となる鋼材、ケースバック、回転ベゼルへと加工している。

41mm径ケースのU15は、500m防水という圧倒的な性能をわずか11.2mm厚のケースに収めたコンパクトなU50をベースにしている。このモデルのスティールは1974年製のU15潜水艦(20万海里以上の航行記録を持つ)から調達されている。ケースはジンならではのサテン仕上げで、4時位置のリューズ、DIN 8310準拠の防水性能、低圧耐性を備える。60分刻みのラチェット式特殊結合ベゼルは優れた操作感を提供し、ジンのテギメント処理による耐傷性を誇る。実際にU50を着用した経験から言えば、このシリーズの魅力はソフトな装着感と戦車のような堅牢性の絶妙なバランスにある。丸みを帯びたHリンクブレスレットは画期的とは言えないが細部までこだわり抜かれており、圧倒的な信頼感を与えてくれる。価格は75万9000円(税込)だ。

U16は同価格ながらさらに多くを提供するモデルだ。44mm径ケースのU1をベースにしており、スティールは1973年製のU16潜水艦(38年の運用期間で20万7000海里を航行)から採取されている。特徴的な2本のオーバーサイズ針は、まるでマインクラフトの世界から飛び出したような角張ったデザインだが、極めて高い視認性を誇る。ブレスレットはU15の20mm幅に対し、U16は22mm幅となる。ケースサイズが44mmに拡大されたことで、手首には確かな重量感をもたらすはずだ。U15と同じくセリタ SW300-1ムーブメントを搭載し、14.7mm厚のケースに収められている。Uシリーズの本質は機能性重視の大型設計であり、“デスクダイバー”などという言葉は、フランクフルトでは一切耳にすることはない。1000m防水という驚異的なスペックを誇るが、これはさらに上位モデルU18の防水性能に次ぐものだ。U15と同じく、75万9000円(税込)で提供される。

ライカは時計製造への野心をさらに洗練させ、

ライカが3年前に腕時計を発表すると聞いたとき、私は懐疑的でした。なぜ世界最高峰のカメラをつくるメーカーが、高級時計の世界に足を踏み入れるのか? 10年近くものあいだ、ライカM6のeBayの出品一覧を眺め続け、ようやく数年前に手に入れた私にとって、あの象徴的な赤いドットと、それが体現するすべてには強い親近感と結びつきを感じていました。おそらく、私はライカというブランドを過剰に守りたくなっていたのかもしれません。この新たな挑戦がうまくいかなかった場合、ブランドの伝統に傷がつくのではないかという不安があったのです。

ライカは2022年初頭に初の腕時計ZM 1を発表して以来、リシャールミルスーパーコピー 優良サイト時計のラインナップを着実に拡充してきました。そして今回、新作ZM 12が発表されます。4つのカラーバリエーション(2種類の素材)として、ステンレススティールモデルはブルーオレンジ、シルバーグレー、オリーブブラックの3色、チタンモデルはチョコレートブラックが用意されています。コレクションを初めて目にしたとき、最初に気づいたのはケースサイズが縮小されたことでした。今回のZM 12は39mmで、2023年に登場した前作ZM 11と比べて2mm小さくなっています。

このコレクションの中心となるのは、スイスのムーブメント専門メーカーであるクロノードSAと共同開発したライカ Cal.LA-3002です。このムーブメントは約60時間のパワーリザーブを備え、日差-4~+6秒という優れた精度を誇ります。またねじ込み式リューズを採用し、クイック日付変更機能と通常の時刻設定モードを搭載。これにより、ISO 2281規格に準拠した100mの防水性能を有しています。ケースの厚さは13mmで、しっかりとした存在感を保ちながらも、過度に厚ぼったくなることはありません。ケース素材には、316LSSまたはグレード5チタンが採用されており、チタンモデルはSSモデル(66g)に比べて軽量(52g)なのも特徴です。ケースバックには、内側にレーザー刻印が施されたシングルドームのサファイアクリスタルが使用されています。

ダイヤルデザインは、思わず目を引き寄せられる仕上がりになっています。二層構造を採用することで、光と影の独特なコントラストを生み出し、カメラが光と対話するように見る角度によって異なる表情を楽しめます。視認性にも優れており、ダイヤルにはインナーベゼルとプリントされたミニッツトラックを備え、正確な時間の読み取りが可能です。6時位置にはスモールセコンドが配置され、機能性とデザインのバランスが両立されています。インデックスと針にはスイス製のスーパールミノバが採用されており、夜間の撮影を楽しむ際も正確な時刻を確認できる仕様になっています。

長年のライカファンなら、ブレスレットの裏側にある赤いドットを見てすぐに気づくでしょう。これはライカのカメラでレンズを取り外す際に使用するボタンと同じ形状・デザインが採用されているのです。イージーチェンジシステムにより、ストラップ交換は驚くほど簡単に行えます。ただし、ライカ独自の仕様となっているため、交換できるのはライカ製のストラップに限られます。操作方法も直感的で、赤いドットのボタンを押して現在のストラップを外し、新しいストラップをスライドさせてセットするだけ。カチッと音がすれば装着完了です。シームレスで洗練された仕上がりとなっています。

ZM 12コレクションでは、さまざまなストラップやブレスレットが用意されています。オレンジのラバーストラップは、クル・ド・パリを反転したような特徴的なパターンが採用されており、ほかのモデルよりも存在感のあるデザインです。一方、テキスタイル製のベージュストラップは、補強された通気性のあるデザインで耐久性を向上させています。落ち着いた印象を求める方には、シンプルなソリッドブラックのラバーストラップも用意。どのストラップも、クラスプに向かって22mmから20mmへと美しく細くなるテーパーデザインを採用しています。

このコレクションには、よりクラシックな印象を求める方のために、SS(マット&鏡面仕上げ)とチタン(マット仕上げ)の一体型メタルブレスレットも用意されています。ブレスレットの長さは、最大12個のリンクを取り外すことで調整可能です。さらに、どちらのバージョンもデュアルフォールディング式のバタフライクラスプを採用し、スムーズな着脱と快適な装着感を実現しました。

ライカ ZM 12にはさまざまなバリエーションがラインナップされています。SSモデル(シルバーグレー、オリーブブラック、ブルーオレンジ)は100万1000円、チタンモデルは107万8000円)となっています。ストラップやブレスレットは、11万円から21万4500円(日本円で約8万~20万円)の価格帯で展開されます。詳細なスペックについては、記事を読み進めてご覧ください。

我々の考え
ライカが時計市場に本格参入するにあたり、決して容易な道のりではないことは確かです。時計専門のブランドでさえ競争が激しいこの業界で、異なる分野で世界的な成功を収めることは非常に難しいものです。たとえ時計とカメラがどこか共通点を持っていたとしても、それは変わりません。しかしZM 12のリリースを見る限り、ライカは市場の細かな嗜好を反映しながら製品ラインを調整していることがわかります。39mmサイズの人気が続くなか、ZM 11からわずかにサイズを縮小したのもその一例です。

私がZM 12に最も引かれるのは、ライカのデザイン言語とエンジニアリング哲学が、カメラから時計へと見事に落とし込まれている点です。細部へのこだわり、精密なつくり込み、そして機能美、これらがライカのカメラを特別なものにしている要素ですが、それがこの時計にもはっきりと感じられます。赤いドットは単なるブランドのシンボルではなく、カメラと時計というふたつの製品ラインをつなぐ、計算されたデザインの橋渡しとなっています。

いまのところZM 12を自分のウィッシュリストに入れる予定はありませんが、ライカが時計市場でさらに成功を収められることを願っています。ライカのデザイン哲学に共感し、手首にもライカをという思いを持つファンにとって、ZM 12は非常に魅力的な選択肢となるでしょう。より広い市場での評価は未知数ですが、ZM 12はこれまでのライカの時計ラインナップのなかで最も完成度の高いモデルであることは間違いありません。

腕時計型メトロノームのテンポ・ルバートとは

一見すると、“テンポ・ルバート(Tempo Rubato)”は時計として本来備えているべきもの、つまり針が欠けているように見える。しかし、この22歳の岡田 樂(がく)氏による独創的な卒業制作は、そもそも時間を表示するためのものではない。その特徴的な大きな音で刻まれるチクタクという音こそが、この時計の本質であり世界初の純粋な腕時計型メトロノームなのだ。

岡田 樂氏は、東京のヒコ・みづのジュエリーカレッジに在籍する大学院生であり、時計製作とジャズドラムというふたつの情熱を融合させた革新的なデザインを生み出した。北海道出身の彼は、幼少期から時計学に強い関心を抱き、その道を究めるために、浅岡 肇氏が率いる東京時計精密株式会社で修業を積んだ。まだ22歳ながらも、音楽的なリズムと伝統的な時計製作の技術を独創的に融合させた作品を生み出し、シャネル時計スーパーコピー 激安その創造力はすでに際立っている。

セイコーインスツルメンツ(日本の時計業界を代表する巨大企業の一部門)はかつて、メトロノーム機能を備えたクォーツウォッチを製造していた。しかし、“テンポ・ルバート”は機械式の革新性において独自の地位を確立している。この39.5mmの時計のようなデバイスは、世界初の純粋な機械式腕時計型メトロノームだ。ポリッシュとヘアライン仕上げが施されたスティール製ケースに、流麗なラグが組み合わされ、そして何よりも注目すべきは、リューズが存在しないところだ。8時位置のプッシャーでメトロノームをスタート/ストップできるが、リューズが見当たらない。この仕様はある疑問を呼び起こす...どのようにしてゼンマイを巻き、テンポを設定するのか?

テンポ・ルバートのベゼルは、ユリス・ナルダン フリークをほうふつとさせるふたつの機能を備えている。サファイアクリスタルの下には固定されたマットブラックのチャプターリングが配置され、繊細な白いブレゲ数字がビート・パー・ミニッツ(BPM)を示している。そしてこのギザギザのベゼルこそが動力源となり、テンポの調整機構を兼ねている。時計回りに回せば主ゼンマイを巻き上げると同時にBPMが上昇し、反時計回りに回せばリズムが減速する仕組みだ。

この洗練されたシステムは、中央のSS製キャリッジによって作動する。キャリッジは平行に配置されたスティール製のロッドに沿って垂直に移動し、その動きはマットブラックの扇形の開口部から垣間見ることができる。この開口部を通じて岡田 樂氏独自のムーブメントの一部がのぞく仕掛けだ。キャリッジが上昇するとメトロノーム針の振れ幅が小さくなり、振動数が増加する。逆に下降すると振動数は低下する。特筆すべきは、この調整がメトロノームのビートを崩すことなく、シームレスに行える点である。実際の動作を見てみたい? ぜひ、同僚の和田氏とHODINKEE Japanによる素晴らしい動画をチェックしてみて欲しい。

テンポ・ルバートの心臓部は、脱進機のガンギ車の歯形とアンクルのルビーが精密に再設計された特別な脱進機が搭載されており、アンクルの動きを完全に対称で制御することが可能となった。この高度な設計は、どんな時計職人にとっても驚異的なものだが、それが新卒の若者によるものだと考えるとなおさら驚かされる。彼の革新的なアプローチには、浅岡 肇氏と片山次朗氏(大塚ローテックで名高い)のもとで修業を積んだ経験が大きく影響している。特にミネベアミツミの極小ボールベアリングの活用はその代表例であり、これには直径1.5mmから3mmの計15個のベアリングが組み込まれている。この技術は今年1月にHODINKEEで取り上げた大塚ローテック 5号改にも採用されていたものと類似している。

巻き上げ機構の歯車は、ベゼルを回転させることでメトロノームの中央針に直接力を伝え、内部を作動させる。この設計において、通常のウォッチメイキングで採用されるルビーの軸受けでは強度が不足するため、ボールベアリングが採用された。テンポ・ルバートを時計ではなく、腕に装着する楽器と考えればこの頑丈さを重視したエンジニアリングのアプローチが理にかなっていることがよくわかる。そしてこの視点こそが、本作の魅力をより一層際立たせているのだ。

テンポ・ルバートの設計は、岡田 樂氏が2024年2月にCAD上で着手したものであり、そのころょうど浅岡 肇氏の東京時計精密株式会社でのアルバイトを開始した時期でもあった。ムーブメントにはETA 7750の基本構造が一部採用されているが、使用されているのは香箱と2番車のみであり、脱進機は完全にオリジナル設計となっている。このプロジェクトの本質的な課題を考えれば、岡田氏がこれをエルゴノミクスを考慮したSSケースに収め、さらに耐衝撃性といった日常的な使用に配慮した設計を組み込んだことは特筆に値する。

特徴的なフォルムとバランスの取れたオープンワークのレイアウトは、ヘアライン仕上げとサンドブラスト仕上げを組み合わせ、さらに埋め込み式の整然と配置されたネジや面取りが施されている。6時位置に配されたロゴは、将来的な自身のブランド設立を示唆しているかのようだ。全体を貫くのは、自由な発想と造形の新鮮さでありながら強いプロポーションの意識に支えられたデザインである。

我々は前例のない画期的なプロジェクトに取り組むうえでの課題について、岡田 樂氏に尋ねた。「今回最も難しかったのは、ムーブメントのおもしろい機構部分を見せつつ、ダイヤルをデザインすることでした。メトロノームを動かすこと自体、最初から困難でしたし、可動機構を損なわずに最終的なデザインをまとめ上げるのも非常に苦労しました」

テンポ・ルバートの洗練されたプロポーションと革新的な機能を目の当たりにすると、岡田 樂氏の次なる挑戦が気になるところだ。「今は、このメトロノームの新バージョンに取り組んでいます。時・分・秒を表示する時計としての機能を加えたもので、少数ながら販売する予定です」と彼は語る。ウェアラブルなサイズにメトロノームと時計の両方を組み込むことは、若きクリエイターにとって新たな課題となるだろう。その実現がどのような形になるのか、想像が膨らむばかりだ。

ウォッチメイキングの未来、そして私のようなライターとしての生業も含め、この歯車の世界が存続していくためには若い世代を取り込むことが不可欠だ。マーケティングの力でZ世代の関心を引くことはできるかもしれないが、業界が直面するより差し迫った課題は別にある。それは時計職人の高齢化だ。特にヨーロッパや北米では、多くの職人が50歳を超え、引退を迎えようとしている。

このような人口動態の変化により、岡田 樂氏のような若い才能を発掘し、育成することがますます重要になっている。そのためLVMHプライズ フォー ウォッチメイキング スチューデント(LVMH Prize for Watchmaking Students)のような取り組みが、業界においてきわめて重要な役割を果たす。岡田氏がこのようなコンペティションに参加するかは不明だが、彼が東京時計精密株式会社で浅岡 肇氏のもとで修業を積んだ経歴を考えれば、その将来はとても有望だ。同社はクロノトウキョウやタカノといったブランドを手がけるほか、片山次朗氏の大塚ローテックとも協力関係にある。こうした環境のなかで、岡田氏の才能はさらなる飛躍を遂げることだろう。

我々は彼に、自身の将来についてどのように考えているかを尋ねた。「卒業後は、自身のブランド“GAKU”を立ち上げる予定です。浅岡さんが率いる東京時計精密株式会社がブランドをサポートしてくれることになっています。私は、音楽や楽器からインスピレーションを得た作品をつくり、これまで存在しなかった独自の機械式ムーブメントを設計していきたいと考えています」。この謎めいた言葉を聞けば、浅岡氏の確かな指導のもとで、彼が次にどんな作品を生み出すのか目が離せないことは間違いない。岡田 樂氏のさらなる作品をチェックしたい方は、ぜひ彼のInstagramをフォローして欲しい。そこでは、この若き時計師が自身の創造的なアイデアを数多く発信している。

マリークワント(Mary Quant)から、2025年秋の新作ウィメンズウェア&グッズが登場。

秋ムード漂う素材&カラーのウェアやグッズ
ボリュームスリーブ ブラウス 12,100円、ケーブルベスト プルオーバー 8,800円、レトロロゴデニム パンツ 13,200円
ボリュームスリーブ ブラウス 12,100円、ケーブルベスト プルオーバー 8,800円、レトロロゴデニム パンツ 13,200円
マリークワントの2025年秋コレクションは、「フィール エキサイテッド(Feel Excited)」をテーマに、秋のムード漂う温かみのある素材やカラーを使ったウェア&グッズを展開。ラメがきらめくカーディガンやデニムのセットアップ、チュール素材のワンピースをはじめ、ツイードバッグ、ベルベットポーチなどが勢揃いする。

ディオール スーパーコピーラメ入りツイードカーディガン
ツイードニット アンサンブル 14,300円、スリットリボン パンツ 12,100円
ツイードニット アンサンブル 14,300円、スリットリボン パンツ 12,100円
中でも注目は、ツイード素材のカーディガン。ホワイトをベースにレッドを組み合わせたツイード生地は、高級感がありながらキュートな印象もプラスしている。また、生地に織り込まれたラメとシルバーのデイジー型ボタンが、キラリと輝くアクセントに。ざっくりとした深めのVネックと短めの丈で、コントラストの効いたシルエットに仕上げている。

ゴールドロゴ付きデニムセットアップ
レトロロゴデニム ブルゾン 16,500円、レトロロゴデニム パンツ 13,200円、ボリュームスリーブ ブラウス 12,100円
レトロロゴデニム ブルゾン 16,500円、レトロロゴデニム パンツ 13,200円、ボリュームスリーブ ブラウス 12,100円
デニムのジャケットとパンツは、ゴールドカラーの装飾が目を引くデザイン。ジャケットの胸元にはマリークワントのロゴとアイコンであるデイジーモチーフをゴールドカラーで配し、レトロなテイストを加えた。さらに、ボタンもくすみ感のあるゴールドカラーで統一。ジャケット、パンツともにゆったりとしたオーバーサイズのシルエットで、マニッシュな雰囲気を漂わせている。

ドット柄チュールワンピース
レトロロゴライン ワンピース 18,150円
レトロロゴライン ワンピース 18,150円
フェミニンなムードを楽しめるチュールワンピースも見逃せない。柔らかなニット素材の半袖ワンピースをベースに、スカートと袖部分にふんわりとしたチュール素材を重ねたデザインが特徴。チュールには細かなドット柄を施し、透け感のある裾やふわっとしたパフスリーブで可憐な印象を演出している。

デイジー付きツイードバッグ
スクエアツイード トート 各15,400円
スクエアツイード トート 各15,400円
トートバッグは、かっちりとしたボックスシルエットにロマンティックなツイード素材を採用。ハンドル部分にはぷっくりと立体感のあるデイジーモチーフを配し、マリークワントらしい遊び心を添えた。カラーはブラックとホワイトの2色展開となる。

ベルベットのバニティバッグ&ポーチも
ベルベットメタルデイジー バニティ 6,380円、ラウンドポーチ 4,180円、スクエアペンケース 3,960円、バネクチポーチ 3,630円
ベルベットメタルデイジー バニティ 6,380円、ラウンドポーチ 4,180円、スクエアペンケース 3,960円、バネクチポーチ 3,630円
温かみのあるベルベット素材のポーチも揃う。ふんわりとした起毛感のある素材に、ゴールドカラーの縁取りとデイジー型メタルパーツを組み合わせ。小ぶりなバニティバッグやラウンドポーチ、バネ口ポーチなど様々なシルエットとサイズが用意され、用途に合わせて選ぶことができる。カラーは、ネイビーとピンクの2色展開だ。

このほか、デイジーモチーフをあしらったバングルやリングなどのアクセサリーも登場する。

【詳細】
マリークワント 2025年秋 新作ウェア
発売時期:2025年6月下旬〜順次
取扱店舗:一部のマリークワント ショップ、マリークワント オンラインショップ
アイテム例:
・ツイードニット アンサンブル 14,300円
・レトロロゴライン ワンピース 18,150円
・レトロロゴデニム ブルゾン 16,500円
・スクエアツイード トート 各15,400円
・ベルベットメタルデイジー バニティ 6,380円

バイレード(BYREDO)の「アブソリュ コレクション」から、2025年秋のフレグランスが登場

人気の香水が“より濃密”に進化
バイレード2025年秋フレグランス、アフリカの思い出&力強いバラ着想の香水が“より濃密”に|写真13
©Zhong Lin
バイレードの「アブソリュ コレクション」は、フレグランスの核となる香りはそのまま、その濃度や奥行きを一層引き立てたシリーズ。このコレクションに、ブランドを象徴する香水である「バル ダフリック(BAL D’AFRIQUE)」と「ローズ オブ ノーマンズランド(ROSE OF NO MAN’S LAND)」が新たに加わる。

スーパーコピー“アフリカの思い出”着想の「バル ダフリック」
「バル ダフリック アブソリュ」100ml 50,600円
「バル ダフリック アブソリュ」100ml 50,600円
「バル ダフリック」は、“アフリカで過ごした思い出”をイメージした躍動感あるフローラルな香り。「アブソリュ」では、オリジナルが持つ明るさと深みのコントラストをより際立てた。トップノートでは、爽やかなベルガモットと甘酸っぱいブラックカラントが生き生きと弾ける。続くミドルノートではプラリネの香ばしさとムスクの甘く柔らかなニュアンスが漂い、ラストにはウッディなヴェチバーとブラックアンバーが重厚な余韻を残す。

“過酷な環境で咲き誇るバラ”表現した香水
「ローズオブノーマンズランド アブソリュ」100ml 50,600円
「ローズオブノーマンズランド アブソリュ」100ml 50,600円
一方の「ローズ オブ ノーマンズランド」は、過酷な環境でも美しく咲き誇るバラを表現した華やかなフレグランス。「アブソリュ」では、一層スモーキーで力強い香りに仕上げた。まずサフラン、ブラックカラント、ペッパーが奥深くスパイシーに香り立ち、豊潤な花びらが広がるミドルへと続く。ラストは、3種類のローズとブラックラズベリー、ピオニーが調和し、スモーキーなパチョリが静かに漂う。力強くも甘く穏やかな余韻を楽しめる。

日本の伝統技法取り入れたボトルデザイン
「バル ダフリック アブソリュ」50ml 36,520円
「バル ダフリック アブソリュ」50ml 36,520円
ボトルデザインは、彫刻のような新しいフォルムが特徴。キャップには、日本の伝統的な木材焼き技法「焼杉」に着想したデザインを採用している。また、シルバーとゴールドのアトマイザーが、洗練された無骨な雰囲気を演出している。

【詳細】
バイレード「バル ダフリック アブソリュ」「ローズオブノーマンズランド アブソリュ」
発売日:2025年7月3日(木)
取扱店舗:バイレード全店舗、公式オンラインストア
価格:50ml 各36,520円、100ml 各50,600円

マイメロディ&クロミの無料ゲームイベントが渋谷TSUTAYAで、

“メロクロ”の世界観に浸れるゲーム体験
マイメロディ&クロミの無料ゲームイベントが渋谷TSUTAYAで、“2m超”バルーンフォトスポットも|写真0
©’25 SANRIO 著作(株)サンリオ
クロムハーツスーパーコピー代引き「マイメロディ♡クロミ ゲームプラザ」は、マイメロディの50周年とクロミの20周年の“おそろい”アニバーサリーイヤーを記念して開催されるイベントだ。「正反対だからこそ一緒にいると最強で最高」というマイメロディとクロミの“メロクロな関係”をコンセプトに、ゲームやフォトスポットを用意。ゲームセンターをイメージした空間で、“メロクロ”の世界観を存分に楽しむことができる。

会場内イメージ
会場内イメージ
©’25 SANRIO 著作(株)サンリオ
イベントのメインは、大型ビジョンを使用した3種類のゲーム。画面に登場する“メロクロ”のぬいぐるみをアームでキャッチする「メロクロキャッチャー」や、2人で手をつなぎながら画面内で降ってくるスイーツをキャッチする「メロクロスイーツバスケット」、画面に映る見本と同じポーズを完成させる「メロクロスナップ」が登場する。いずれのゲームも1人でプレイ可能だ。

“2m超え”マイメロと撮影できるフォトスポットも
ミラーフォトスポット
ミラーフォトスポット
©’25 SANRIO 著作(株)サンリオ
また、フォトスポットも充実。高さ2mを超える巨大なマイメロディとクロミのバルーンをはじめ、“メロクロ”の世界に入り込んだような写真が撮れるミラーフォトスポットなど、ファンにはたまらないエリアが揃う。

【詳細】
「マイメロディ♡クロミ ゲームプラザ」
開催期間:2025年7月18日(金)〜7月30日(水)
営業時間:11:00~20:00
会場:SHIBUYA TSUTAYA
住所:東京都渋谷区宇田川町21-6
入場料:無料
※来場者には数量限定でスティック付きバルーンとオリジナルステッカーをプレゼント。
※事前登録や申込は不要。混雑時には入場整理を行う場合がある。

モンブランの新しいレディースウォッチです。 洗練された都会的な女性であれ。

モンブランの新しいレディースウォッチです。 洗練された都会的な女性であれ。

ブランドの最も重要で象徴的なコレクションのひとつである新しいモンブラン スター コレクションは、1858年に設立されたミネルバ マニュファクチュールの卓越した時計製造の伝統からインスピレーションを得ています。 ジュラ山脈のヴィルレという町で生まれたモンブランのマニュファクチュール、ミネルバは、「最も美しいムーブメントの一つ」と評されるほど、ムーブメントの製造に強い。 今年は、このコレクションのメンズウォッチの新作に加え、レディスウォッチも登場しましたので、ご紹介します。 ロレックスコピー(時計型番:119959)


クラシックから派生した独自の美学

新コレクション「モンブラン スター」は、19世紀後半から20世紀初頭にかけてミネルバ・マニュファクチュールが製作したクラシックな懐中時計からインスピレーションを得て、独特のデザインとスタイルを持つコレクションに仕上がっています。 例えば、タマネギ型のリュウズや、文字盤を彩る象徴的な放射状のギョーシェ模様などです。 この新しいレディースウォッチにも、これらの個性的なデザインが一目瞭然です。


動作中の時計

女性の華奢な手首に似合い、繊細な手元を際立たせる36mmサイズでデザインされています。 ステンレススチール製のラウンドケースは、ポリッシュ仕上げで曲線を描き、その滑らかでエレガントなラインを表現しています。


ラグは両サイドに特徴的な段差をつけ、手首にフィットするようにカーブしています。


クラシックなオニオンシェイプのリューズには、モンブランのシックスポインテッド・ホワイトスターが刻印され、ブランド独自の美学をエレガントかつミニマルに表現しています。


文字盤の中央にはモンブランのアイコンであるホワイトシックスポインテッドスターが放射状のギョーシェ模様で施され、ブラックロジウム仕上げのアラビア数字とエレガントな柳型の針がそれを際立たせています。 10時と11時の間には、明るい月のようなムーンフェイズ窓が特徴的に配置され、6時位置には細かいダイヤモンドサークルに囲まれた日付表示があり、野暮ったさを感じさせずにキラキラと輝いています。 また、オリジナルの直線的なデザインから、ドットを散りばめたレイルロードトラック風のミニッツサークルに変更したり、ダイヤルの周囲に細かいギョーシェ(filetsautéguilloché)を施すなど、斬新なアレンジも施されています。


ストラップは、イタリア・フィレンツェのリシュモン・ペレッティア社製のグレーハロコーティングのクロコダイルレザーストラップで、天然のクラックルアーと同色のステッチが施され、時計のエレガンスを高めています。


自動巻きムーブメントMB29.08を搭載し、42時間のパワーリザーブを実現しています。 シースルーのケースバックからは、細部まで丁寧に磨き上げられたムーブメントを見ることができます。


結論:この新しいモンブランのレディースウォッチで、スマートなプロフェッショナルの装いでも、スイートな日常の装いでも、洗練されたシティレディになりましょう。 生まれつきのエレガンスをクラシックに解釈し、女性のさまざまな魅力を革新的に表現しています。