小学の用務員さんに”こんさん”と言う方がいまして、皆から「こんさんのおじさん」と
呼ばれて親しまれておりました。今にして思えば50代後半か60代前半?だっと
思います。なんせ、小学生から見ると昔は50歳以上は中々のお年寄りに見えたし、
その頃の50歳以上の方たちも老けて見えましたからね。
で、その”こんさん”は長身で猫背気味でしたが、いつも早歩きでせっかちなイメージ
があり、そしてけっこう厳しくて何度か怒られました。(まぁ、いたずらしたからだけど)
”こんさん”は戦争時代は兵隊さんと聞いていました。
だからなのか、一度グランドにある鉄棒の一番高いのでグングンと大車輪をしてるのを
見た時に「”こんさん”スゲッ!!」と友達と騒いでいましたね。
12月のある日に、小学の先生たちの忘年会がありました。
その日の西芦別は雪がかなり降っていた記憶があります。
「”こんさん”が行方不明になった」と狭い炭鉱町はその話題で持ちきりになりました。
何でも、忘年会の後に”こんさん”は一人で家路に向かったのを見たのが最後だと。
あちこち探しましたが”こんさん”は見つかりませんでした。
それから数ヶ月が過ぎ、”こんさん”のことを忘れかけた雪解けの初春に
「”こんさん”が見つかった!!」と言う知らせが。
どこかの炭鉱住宅の軒先で既に亡くなった”こんさん”が見つかったのです。
病気や炭鉱事故以外で人が死ぬなんて滅多にないので、子供心にショックでした。
”こんさん”の息子さんが一度、教育実習で来たことがあります。
その息子さんは先生になったのでしょうか?もし、なっていたとしても定年なっています。
そんな『想い出のあとに』でした・・・・・。