私の”オヤジ”は元々は茂尻の雄別(ゆうべつ)炭鉱の坑夫でした。 ”じいさん”の代からです。
で、私が3歳の頃に閉山で三井芦別炭鉱へ来て西芦別の炭住に住みました。
当時、炭住にはどこの家にも神棚があり、月に一度”神主”さんが来てお祓いをしてくれたものです。 私の家は茂尻の頃からの”神主”さんが来てくれておりました。
白くて長いあごひげを蓄えた、これぞ”神主”さん!!と言わんばかりの風貌で、 家に来るとお祓い用の格好に着替えて帽子を被り、 手には棒のような物を持ち、家族が神棚の前に正座してお祓いが始まるのです。
まずは神棚に向かって”神主”さんが何やら呪文のような言葉で始まり、 次に正座をしているあたくしたち家族に向かってお祓い用の紙の付いた棒で頭の上を左右に祓ったり、 一人一人の肩口の所をお祓いするんですよね。
もうその時は”あにき”と二人でクスクスして笑いをこらえるので精一杯でした。(笑) その度に、”おふくろ”に「シッ!」と言われるのですが、 何故か”おふくろ”の顔もあたくしたち兄弟につられてニヤけていたように思います。
また、部屋の中も”神主”さんはお払いの棒を持って 何やら呪文のような言葉で歩きまわったりもしていた記憶があります。
確か「長男次男、剣の・・・・・」って聞こえて、 最後に「かしこみ、かしこみ、まおす~」と言った後に、 決まって”神主”さんが一つ咳払いをして終わるんです。
終わると、着替えてお茶を飲みながらちょっとした世間話なんかをして、 ちょうど良い頃合いで封筒に入ったお礼金を渡しておりました。
何時の頃から来なくなったのかな~? きっと、東1条5丁目から改良住宅に移った頃位から姿を見なくなりました。
体を壊したのか?それとも加藤家の経済的な事情からなのか?は 小学生の私には知る由もございませんでした。
今度、実家に行ったら聞いてみます。。。。。