炭住のもう一つの楽しみ

先月は”神主さん”のことを書きましたね。 で、思い出したことがあります。

西芦の同級生と飲んでいて出てきたのが、 「なぁ、ドンのおじさん憶えてるか?」 「おー、懐かしいな!!珍味を持ってくるおじさんだろ!」 「違う!それはどんだばのおじさんだってー!」 「そうーだった~!!」と。

そうです、私が小さい時(小学5年生頃まで)には 大きなずた袋を担いで色々と行商売りの人が来ていました。

「どんどんぱっぱっのおじさんだよ~」と来るのが、茂尻から付き合いのある行商のおじさんです 。ちょっと小太りでメガネを掛けて先ほどのフレーズ「どんどんぱっぱっのおじさんだよ~」と言いながら家に入って来るのです。 (閉山の人口減で元の顧客を頼って行商をしていたんですね)

どんとは、米やオオムギなど穀物を圧力釜入れて作るのですが、 物自体は丸くてピンクや黄色、白などと色のついたオブラートで包まれており、 それを手や口の中をちょっとベタベタしながら食べる甘いお菓子です。 (味は変わらないのにピンクが人気でした)

何でも茂尻にいる頃に、 兄貴と二人して”じいさんだかばあさん”と作っている所に連れられて行き、 圧縮されていいだけ膨張すると「ド~ン!!!」と、もの凄い爆裂音がなるのですが、 あまりの大きさにビックリして泣き出したんだそうです。(笑)

また、同じように大きなずた袋を担いでお菓子も売りに来ました。 大きな袋から、 アルミだかスチールの名刺サイズほどのサンプル箱を取り出してたくさん並べ、 それを味見して気に行ったのを買うのです。

目の前に沢山のお菓子が並べられて興奮しない子供はいません。 今ほど、ガムやチョコレート、またハイカラなお菓子が数多くは無かったのでもう夢中で味見をして、 まるで何も食べさせてもらっていない家の子供のように片っ端から食べようとして何度もお袋に怒られました。(笑)

同じようにサンプル箱を持ってくる「どんだばのおじさん」は珍味を持って来ます。 あたくし子供のくせに珍味も好きで(既にのん兵衛の影が)、 必ず”氷下魚(こまい)”を買ってもらっておりました。

お菓子売りもそうですが、 大きな袋の中にはサンプルで気に行った商品がちゃんと入っていて、 子供心に「あの袋の中に一体どのくらい入ってんだろう~」と、 好奇心満載で不思議に思っていました。

珍味売りの”どんだばのおじさん”は浅黒く浜なまりで、 いかにも「珍味売り!」といった感じでした。 相撲の(それも幕内)時間に来て、 商いが終わってもお茶を飲みながら色々と解説を交えて談笑していました。

また、若島津のファンで若島津の取り組の時にはより一層の熱が入って身をよじりながら観いっていました。(笑)
今から思えば「かなり重たかったんだろうな~」との思いと、 「きっと、沢山買ってくれそうな家から最初に行き軽くしていたのかな~」 などと、大人になった私は当時の記憶を振り返るのでした。。。。。

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